朝食は必要な理由は?

現代の医学や栄養学の権威が朝食は必要という最も大きな理由は、午前中に脳を活発に働かせるための活動エネルギーを確保するためです。
つまり朝食をとらないと、糖質が不足して血糖値が下がるので、午前中、脳も体も働かないということなのです。
その根拠になる考え方は、脳は唯一、ブドウ糖をエネルギー源にするため、朝食を食べないと、ブドウ糖が不足するというものです。
脳の重さは体重の2%ほどですが、脳が必要とするエネルギー量は体重の20%にもなります。
一日に2400キロカロリーが必要だとすると、その20%は480キロカロリーですから、ブドウ糖の量に換算すると120グラムが必要になります。
仮に夕食で60グラムのブドウ糖を摂取するとしたら、朝起きたときには、ブドウ糖は底をついているため、朝食をとって糖質を補給することが必要だというのです。
ちなみに、脳は夜間の就寝中も昼間と同じようにエネルギーを使います。
朝食をとると、炭水化物に含まれる糖質がすみやかにエネルギーに変換され、血糖とし
て血液中に取り込まれて全身へ送られます。脳にもブドウ糖が供給されるので、脳が活発
に活動できるというのです。
では、朝食をとらないと、どうなるのでしょうか。ブドウ糖が血液中に取り込まれないので、肝臓に蓄えられているグリコーゲンをブドウ糖に分解して血液中に送り込むことになります。
グリコーゲンの分解は、副腎皮質という器官から分泌されるアドレナリンの働きによってなされます。
しかし、こうしてつくられたブドウ糖は数時間で使い果たされるので、やがて血液中のブドウ糖は少なくなり、血糖値は下がってきて、脳のブドウ糖も不足してきます。
そこで、体はアミノ酸を変換してブドウ糖をつくります。しかし、アミノ酸のストックはあまりないため、さらには体のたんぱく質をアミノ酸に分解し、これをブドウ糖に変換代謝しますが、この代謝(体内処理)にはコルチコイドという物質が必要です。
コルチコイドは副腎皮質から分泌されますが、自律神経のうちの交感神経を緊張させ、血圧を上げます。
このように、朝食を食べないと、体のたんぱく質が消耗し、副腎皮質が負担を強いられるし、交感神経が興奮して血圧が上がったりするので、健康にとってよくないと、現代医学・現代栄養学では考えます。
そして、朝食抜きの生活を習慣にすると、やがて、日常的な健康状態も悪くなるというのです。
朝食を抜くと脳の活動が低下するという理論を裏付けるデータとして、大学生を対象にした、寮生活をして朝食をきちんととる学生と、同じように寮生活をしていても朝食を食べないで授業に出る学生を比較して、朝食をとる習慣がある学生のほうが、とらない習慣の学生よりも学業成績がよいという報告があります。
また、朝食を食べるグループと食べないグループに分け、朝食を食べないグループには前夜に夜食としてバターラーメンを食べてもらい、翌日の午前中に集中力のテストを行った実験があります。
結果は、朝食を食べなかったグループのほうが、朝食を食べたグループに比べ、間違えた数が圧倒的に多かったと報告されています。